SABICがAircraft Interiors Expo 2015に出展

15-05-2015
2015年 5月 15日、東京
SABICがAircraft Interiors Expo 2015に出展
軽量化やデザインによるブランド差別化など航空業界のトレンドに対応する
製品ソリューション、サービスを展示
サウジ基礎産業公社(Saudi Basic Industries Corporation、以下SABIC)の日本における法人であるSABICジャパン合同会社は、SABICのイノベーティブプラスチックス事業がドイツのハンブルグで開催されたAircraft Interiors Expo 2015(エアクラフト・インテリアズ・エキスポ 2015、会場:ハンブルグ・メッセ、4月14日~16日)で、航空機メーカーが航空業界の規制基準やOEM標準に適合し、安全性の強化、サステイナビリティ、乗客エクスペリエンスの最適化を促進する製品ソリューションを出展したことを明らかにしました。これらの製品には、射出成形、熱成形、添加剤およびコンポジット製造などの成形技術と相性がよい、樹脂、シート、フィルム、発泡部材、繊維など幅広い形状の高性能な熱可塑性物質(サーモプラスチック)製品が含まれます。
航空会社は、軽量化や、ブランドの差別化、コスト削減、そして乗客のフライト体験をより充実させる機会を常に求めており、幅広い用途に活用できる素材や、創造性に富んだデザインオプション、グローバルサポートなど航空会社が望む成果を理解し、提供できるサプライヤーを必要としています。
SABICでは、軽量かつ、規制基準に準拠する素材ソリューションだけでなく、「軽量化とコスト削減を意識した部品やシステムの設計を支援する世界規模の用途開発リソース」と「顧客のグローバルサプライチェーン全体の色彩管理(カラーマネジメント)を含む、色彩のカスタマイズや美観のサービス」など商用目的を顧客が達成できるようなサービスに焦点を当てています。
SABICのイノベーティブプラスチックス事業 マス・トランスポテーション(航空機、鉄道)マーケティング ディレクター キム・チョートは、「素材提供の枠を越えたトータルソリューションを顧客は求めています。これがSABICのアプローチで、伝統的に、顧客のニーズを認識し、顧客ニーズに適したソリューションを様々な業界で培った世界的な実績をもとに提案しています。」と述べています。
CRYSTAL CABIN AWARD® 2015のファイナリストにCLEAR LEXAN™ XHRシートが選出
航空機の内装デザイナーは既存の透明素材の使用に際し、透明度と法的遵守の2つの課題に直面していました。SABICは、業界を代表するLEXAN™ シートポートフォリオの重要な展開の一つで、コーティング(両面、片面、コーティングなし)の選択が可能なCLEAR LEXAN XHR2000シートを出展しました。同素材は、Crystal Cabin Awardの素材&コンポーネント部門のファイナリストに選出されました。CLEAR LEXAN XHR2000シート(コーティングなし)は、OSU準拠のシート素材として業界最高値となる80%の全光線透過率を誇り、OSU 65/65 準拠の放熱性能と、火炎、煙、毒性(FST)に関する標準的な業界の規格(FAR25.853、BSS7239、ABD0031)を満たしています。デザイン性能の向上、耐薬品性、耐傷性の付加の為に、機能的なコーティングやフィルムラミネートなどの二次加工をしても、強度な垂直難燃性能の保持が可能です。また、ハードコーティングオプション(片面、もしくは両面)が施されたCLEAR LEXAN XHR2HC1シートとLEXAN XHR2HC2シートは、業界要件である60秒間の垂直難燃性能、OSU 65/65 準拠の放熱性能、およびOEM毒性要件を満たしています。
SABICの出展内容は以下の通りです。
- SABICのLEXAN LIGHT F6L306シートで作られたシートバック。同シートは、業界最軽量を実現した熱可塑性プラスチックシート製品で、比重が85 g/cm3と軽量のため、従来のポリ塩化ビニル・アクリル混合物(PVC/PMMA)ベースのシート製品に比べ最大40%の重量の削減が可能です。この素材は、業界規格であるFSTや、ボーイング社/エアバス社の毒性要件に準拠し、最小0.6mmの薄さの壁を持つ立体形状に熱成型することができます。
- SABICのULTEM™ 9085樹脂で作成されたフィラメントを使用し、3Dプリンティングで制作されたプロトタイプのエコノミークラス用シート。既存のシート設計および製造過程を見直し、SABICはStudio Gavari社に流線型で人間工学的に優れたシートのデザインをライセンスしました。同シートはSABICのULTEM 9085樹脂を使用し、Stratasys社の3Dプリンタで成形されました。ULTEM 9085樹脂は3Dプリンティングとの適合性が高く、連邦航空局(FAA)のFAR 25.853規制およびOEM毒性要件に準拠し、低い吸湿性および設計上の融通性を提供します。3Dプリンティングの導入により、構成部品の数を15個以下に抑えたStudio Gavari社のシートのラピッドプロトタイピングが可能となります。
- 吸湿材、衝撃吸収材、吸音材など広範囲にわたる素材は、低吸湿性、耐熱性、航空業界の規制基準およびOEM標準の準拠、吸音性、軽量化、材料リサイクル性を持つSABICのULTEM繊維で製造されています。
- LEXAN™ CFR5630樹脂で製造されたライトプロファイル。高いUV安定性と次世代の非臭素・非塩素難燃技術を有する同樹脂には、透明色ならびに5つの拡散色を含む豊富なカラーバリエーションがあります。連邦航空局(FAA)のFAR 25.853規制(発煙濃度:Ds<200、垂直難燃性:VB<60秒)および、OEM毒性要件に準拠しているため、ライトプロファイルやレンズカバーなどの用途に使用できます。この新しいポリカーボネート(PC)コポリマーは、60秒の垂直燃焼(5mm、2mm、3mm)とサステイナビリティをサポートするハロゲンフリーの耐炎技術による発煙濃度(ds, max @ 2 & 3mm)の難燃/発煙/毒性(FST)性能基準に準拠しており、顧客は最小1.5mmの薄さで部品をモールド、押出成型を行うことができます。それぞれの製品には、難燃性のFAR事前認証が付与されています。
- LEXAN CFR5630樹脂はPCコポリマーで、透明色および不透明色が設定されています。レンズや、押出成型で製造されるライトプロファイル、シート用部品に使用されています。
- LEXAN CFR5630D樹脂はLED照明に使用されているPCコポリマーです。最適な光拡散と光透過性に調和された非常に美しい広角の光散乱がもたらされます。また、同樹脂は、製品寿命における色安定性向上のためUV耐性が施されており、SABICでは5色を展開しています。
元来ダイナミックな航空業界は、常在するコスト管理問題を含む複数の課題に対応する柔軟かつハイエンドなソリューションを求めています。イノベーティブな材料技術への継続的な投資および航空宇宙業界の顧客との緊密な協働により、SABICは次世代の航空機に必要とされる最新の熱可塑性ソリューションの開発に向けた取り組みを今後もリードします。
- 写真:SABICのカラーサービスは、アメリカ、ヨーロッパ、およびアジアで、色彩や美観に関するコンサルティングを航空機インテリアデザイナーへ提供します。
- 写真:SABICのカラーサービスは、カスタムカラーの作成、カラーマッチング、そして顧客のグローバルサプライチェーン全体の色彩管理(カラーマネジメント)を含む、色彩や美観に関するコンサルティングを航空機インテリアデザイナーへ提供します。
3Dプリンティングで制作されたプロトタイプのエコノミークラス用シート
- 写真:既存のシート設計および製造過程を見直し、SABICはStudio Gavari社に流線型で人間工学的に優れたシートのデザインをライセンスしました。同シートはSABICのULTEM 9085樹脂を使用し、Stratasys社の3Dプリンタで成形されました。ULTEM 9085樹脂は3Dプリンティングとの適合性が高く、連邦航空局(FAA)のFAR 25.853規制およびOEM毒性要件に準拠し、低い吸湿性および設計上の融通性を提供します。3Dプリンティングの導入により、Studio Gavari社は、設備投資をかけずにシートのラピッドプロトタイピングが可能となります。また、構成部品の数を15個以下に抑えているため、製造効率および部品統合の可能性を示しています。
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編集者注
- SABICおよび™が付されたブランドは、SABIC社ならびにSABICの子会社の商標です。
- 高解像度の写真はご要望に応じてお渡しできます。
- SABICの社名表記はすべて大文字です
SABICについて
SABIC(Saudi Basic Industries Corporation)は世界第2位の石油化学企業です。ポリエチレン、ポリプロピレン、および他の先進的な熱可塑性樹脂、グリコール、メタノール、ならびに肥料のメーカーとして世界のマーケットをリードする企業の一つです。
2014年にSABIC社は、233億サウジ・リヤル(62億米ドル)の純利益を計上しています。2014年の総売上高は計1,881億サウジ・リヤル(502億米ドル)、2014年末の総資産は3,400億サウジ・リヤル(907億米ドル)です。
SABICでは基礎化学品、ポリマー、機能性化学品、肥料、金属、イノベーティブプラスチックスの6つの事業部があり、サウジアラビア、米国、オランダ、スペイン、日本、インド、中国、韓国にはSABICの誇る19の専門のテクノロジー&イノベーション研究施設を配置しています。 同社は世界45か国以上で事業を展開し、4万人を上回る従業員を全世界で有しています。
SABICはサウジアラビア、アメリカ大陸、ヨーロッパおよびアジア太平洋地区を拠点に生産活動を行っています。
リヤドに本拠地を置くSABICは、1976年にサウジアラビア政府が石油産出に伴って発生する炭化水素ガスを化学物質、ポリマー、肥料生産の主要原料にすることを決定した際に設立されました。サウジアラビア政府はSABIC株の70%を所有し、残りの30%はサウジアラビアの 個人投資家および他の湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council)諸国が保有しています。
SABICのイノベーティブプラスチックス事業について
SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、80年の操業実績を持つエンジニアリング熱可塑性樹脂の大手グローバルサプライヤーで、お客様の緊急な課題を解決する画期的なソリューションを提供しています。現在、同社の売上は数十億ドルに上り、世界35か国で約9000人の従業員を雇用しています。SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、お客様とのコラボレーションや新しいポリマー技術、グローバルアプリケーション開発、加工技術、および環境に配慮したソリューションへの継続的な投資により、ヘルスケア、輸送、自動車、エレクトロニクス、照明、家電などの幅広い市場をターゲットに、今後もプラスチック業界のリーダーであり続けます。当社の幅広い製品ポートフォリオには、熱可塑性プラスチック樹脂、コーティング、特殊コンパウンド、フィルム、シートなどがあります。SABICのイノベーティブプラスチックス事業(www.sabic-ip.com) はSABIC(Saudi Basic Industries Corporation)の完全子会社です。
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Email: hsaito@webershandwick.com
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